薬学科6年の吉田万優さんが取り組んだ研究成果がScientific Reports誌に掲載されました

都立駒込病院および東京医科大学との共同研究として実施された、当講座薬学科6年生の卒業研究成果が、Scientific Reports誌に掲載されました。

本研究は、駒込病院の木村公則先生が実施された肝線維化治療薬候補PRI-724の医師主導治験で得られた血漿EV中miRNAのデータ解析をおこなわせて頂いたものです。

PRI-724有効群において治療前後で有意に低下するmiR-887-3pに注目し、miR-887-3pは線維化した肝細胞から分泌され肝星細胞に取り込まれるとGPR173遺伝子と干渉することがわかりました。GPR173は、PhoenixinをリガンドとするGタンパク質共役受容体です。肝臓に保護的な経路であるPhoenixin-GPR173を妨害する血中miR-887-3pが、肝障害を悪化させる生理学的機能を持ったバイオマーカーであると考えられました。

今後、さらに症例数を蓄積し、本研究成果の検証を重ねたい考えです。

慶應義塾大学薬学部薬物治療学講座

Division of Pharmacotherapeutics, Keio University Faculty of Pharmacy