薬学科卒業生の岩本千明さんが医学部(医薬連携)で取り組んだ研究成果がGut Pathogens誌に掲載されました

慶應義塾大学 医学部精神神経科学教室、先端生命科学研究所(鶴岡)、および昭和大学医学部精神医学講座との共同研究として実施された、当講座薬学科卒業生の卒業研究成果が、Gut Pathogens誌に掲載されました。


うつ・不安症患者の便検体より治療反応性と関連のある代謝物のデータ解析をしたところ、うつ・不安症患者の一部にN-ε-アセチルリジン欠乏が存在し、そのような方の治療反応性はむしろ良好、症状が改善した際にはN-ε-アセチルリジン量が増加していることがわかりました。一方、N-ε-アセチルリジンが充足しているにも関わらずうつ症状がある方は治療抵抗性であることがわかりました。

またN-ε-アセチルリジン量と逆相関をする腸内細菌としてOdoribacterがあり、これがリジン代謝活性を持っている可能性が示唆されました。


リジン欠乏がうつの一因であることは2004年にもPNASに掲載されており、新たな治療介入の指標や標的となることが期待されます。

慶應義塾大学薬学部薬物治療学講座

Division of Pharmacotherapeutics, Keio University Faculty of Pharmacy